7年8カ月もの間、「国賊」を放置した日本社会 〜 三島由紀夫が叱った現代日本③
日本人は豚になる〜三島由紀夫の予言
■飼いならされた政治家
一九六八年(昭和四三)二月、在日朝鮮人金嬉老が暴力団員を射殺したのち、寸又峡温泉の旅館に宿泊客を人質にとって立て籠り、民族差別を告発した。金は逮捕され、裁判で無期懲役が確定。九九年(平成一一)に仮釈放後、韓国に出国した。
私は以前「逆賊ブルース」という曲の歌詞を書いたが、裏に込めた意味は、近くにいる人間が問題のある人物に手出しの一つもできないということである。なお、歌詞の内容が少し危ないということで一部修正されてしまい、わかりにくくなってしまった。
三島は言う。
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泰平無事が続くと、われわれはすぐ戦乱の思ひ出を忘れてしまひ、非常の事態のときに男がどうあるべきかといふことを忘れてしまふ。 金嬉老事件は小さな地方的な事件であるが、日本もいつかあのやうな事件の非常に拡大された形で、われわれ全部が金嬉老の人質と同じ身の上になるかもしれないのである。(同前)
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三島の予言は的中した。安倍晋三という金嬉老は、国家に対し、テロを仕掛けた。それを疑問に思っていても、次の選挙が怖くて、かすり傷ひとつ負いたくない連中が、周囲を固めていた。
〝サムラヒ〟は死んだのである。
(適菜収著『日本人は豚になる 三島由紀夫の予言』より再構成)
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